拡張型心筋症|血液データの記録と変化 BNPからわかること

血液検査では、病気の原因や進行の度合い、治療の効果など様々な事を知ることができます。

慢性心不全心の方や、心不全が疑われる方の場合、調べる血液検査の項目の中にBNPと言うものがあります。

循環器内科では、頻繁に調べる血液検査の項目です。

ライチョウ工場長
ライチョウ工場長

心不全で入院後、拡張型心筋症が判明しましたが、BNPは血液検査の項目に毎回入っています。

心不全で初めて入院した際のBNPの値は、1052.6pg/mlでした。二度目の入院時のBNPの値は429.7pg/ml。現在私の場合、入院の目安となるBNPの値は400pg/mlと言われています。

拡張型心筋症|血液データの変化

ライチョウ工場長
ライチョウ工場長

心不全で入院後、拡張型心筋症であることが判明しました。

その後は、症状が落ちついており、経過もよいことから病院への受診は2か月に一度です。

二度目の入院時は、腎機能の低下が採血結果でわかったことによるものでした。

BNPの値が480.8pg/mlまで上昇した際に、薬を追加して様子を見る事になりました。

追加された薬を飲むことで、BNPの値は下がったのですが、腎機能の低下が血液検査でみられたため、二度目の入院をしました。

入院期間は、1週間。

血液データが普段と同じほどの値に戻ったため、早くに退院することができました。

この入院では、

「運動前(動く前)にはまず、全身に血液を巡らせてから動き出した方が心臓の負担が少ない」ことをリハビリで教えていただきました。

また、「安静の大切さ」を改めて実感しました。

この入院に至った経緯で、BNPの値が高くなったのには、思い当たる節がありました。

普段と同じ生活をしている中でBNPに変化があったのではなく、運動量(活動量)が多い日々が続いていました。

その結果、BNPが上昇したので、私の中で、「これぐらいは動いても大丈夫だけど、これ以上はやめた方がいい。」と言ったことがわかりました。

適度な運動は必要ですが、過度な運動は心臓に負担をかけます。

私にとっての過度な運動がどれくらいにあたるのかわかった気がします。

また、BNPが480.8pg/mlまで上昇した時には、咳が増えたこと、疲れやすかったこと、これらが心不全症状なのだと改めて自覚しました。

普段よく調べている血液検査の項目と結果になります。

2022年の血液データ

(基準値より高いものは赤字、低いものは青字

2月27日2月28日3月2日3月9日3月28日5月7月8月10月11月
救急受診入院退院から
2週間
BNP1052.6912.6922.2703.6400.1287.7315.4276.6274.3261.9
HbA1c5.96.56.55.75.76.06.0
GLU1161318610011194101107
WBC5.15.36.24.65.25.14.85.05.25.3
PLT134140173199150150172169178190
AST33302340304622222122
LDH235228303252185172171176177182
ALP8488876255524655
GGTP4747433425232122
TP6.36.56.56.97.26.97.06.97.07.4
T-BIL0.961.691.501.140.831.131.250.791.250.82
UA7.07.57.94.35.85.55.94.55.6
BUN22.219.322.624.519.523.518.420.221.921.2
CRE1.221.331.421.441.321.231.371.311.331.51
LDL81.4101.9108.2112.7122.3114.4110.3
AMY4685787567706576
NA143142139142142143141140139141
K4.54.74.35.64.94.64.74.84.75.3
HGB14.514.815.916.616.815.014.114.914.715.7
(2022年の血液データ)

退院後は経過もよく、2か月に一度の受診で経過をみていました。

2023年3月の受診時のBNPの値が390.7pg/mlになり、400pg/mlを超えた際には入院したほうがいいとのことでした。

BNP390.7pg/mlという採血結果の時点でも、入院する選択肢はあったのですが、様子をみる事になりました。

次に採血をした5月には、BNP480pg/mlと更に高値に。

医師は入院を勧めましたが、本人の希望もあり2週間、追加された薬を飲みながら様子を見る事になりました。

追加された薬を服用することでBNPの値は少し落ち着いたのですが、その薬(フォシーガ)が合わなかったのか、腎臓の機能を示す血液データの値の悪化がみられたため、2023年6月、二度目の入院となりました。

2023年の血液データ

1月3月5月6月12日6月14日6月19日7月9月
二度目の入院退院退院から
3週間
BNP362.8390.7480.8429.7299.0280.6375.4
HbA1c6.2
GLU131
WBC5.96.45.65.65.86.35.1
PLT
AST19171717171613
LDH176183178193170179170
ALP52514453474746
GGTP
TP7.17.27.07.56.87.37.1
T-BIL0.99
UA6.15.75.64.84.64.25.15.0
BUN21.122.821.323.420.918.421.620.6
CRE1.601.551.401.441.38
LDL110.8
NA138141141140141139
K4.74.64.55.04.34.44.1
HGB14.915.014.715.415.115.0
(2023年の血液データ)

採血項目【BNP】でわかることは?

BNP(ビーエヌピー)とは、心臓を守るために心臓(特に心室)から分泌されているホルモンのことです。

脳性ナトリウム利尿ペプチド=Brain Natriuretic Peptideの略称がBNPとなります。

一般に普及しているBNPの基準値は18.4pg/ml以下です。

【BNPの作用】

・利尿作用

・血管拡張作用

心臓(心室)に負担がかかると血液中に放出され、心臓への負担を減らす作用があります。

心不全になっている状態では心臓の機能が低下している為、それらの働きがうまく作用されません。

うまく作用されない結果、血液中のBNPの値が増えてしまい、採血結果は高値をしめします。

BNPが高値になる原因には、心臓だけではなく、腎臓の異常が考えられる場合もあります。

BNPは腎臓で排出されるので、腎臓の機能が低下してる場合、うまく排出されず血液中にたまってしまう事があります。

その場合も、採血結果ではBNPが高値になることがあります。

BNPは、数値だけでは心臓病や腎臓病の診断はできませんが、それらの病気の有無や重症度を判断するのに重要な役割を持っています。

【心臓や腎臓への負担を減らすには】

・塩分を控えるなどの食生活の改善、適度な運動をするといった生活習慣の改善で心臓や腎臓への負担を減らすことができます。

BNPの値はいくつで入院?

ライチョウ工場長
ライチョウ工場長

私の場合、入院の目安となるBNPの数値は400pg/mlと言われています。

一般に普及しているBNPの基準値は18.4pg/ml以下です。

40pg/mlで要精密検査、100pg/ml以上では心不全の可能性があるため専門的な治療が必要と言われています。

年齢や持病によって、医師の治療方針や入院の有無なども変わるため、数値が高い場合はできるだけ早く医師の診察をおすすめします。

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