診断名は、拡張型心筋症。
心臓病です。
「これからどう生活していったらいいんだろう?」
拡張型心筋症がどのような病気なのかを知ることで、日々気をつけるべき行動がみえてきます。
仲良く付き合っていくためにも拡張型心筋症について理解を深めたいと思います。

拡張型心筋症になり、医師からは「心臓の馬力は今までの3分の1だと思っててください。」と話がありました。

今まで疲れなかったことでも、すぐに疲れてしまう身体に?

病気になる前に比べ、すぐに疲れを感じるようになりましたね。
医師の話によると、
心臓だけは年齢よりも高齢とのことでした。
健康にはとても気を付けていたので、急にこんなに体力がなくなるとは・・・
疲れを感じる時、心臓は「休憩しようよ」とサインを送っています。
心臓へかける負担を最小限にするには、
疲れを感じる前に休憩することも大切です。

脈は速くなってないかな、
いつもよりドキドキしてつらいことはないかな?
心臓に負担がかかるとは、いったいどのような状態のことを言っているのでしょうか。
拡張型心筋症ってどんな病気?

まず、心臓の働きについてです。
【心臓の働き】
・心臓は血液を全身に送り出すポンプの働きをしています。

収縮・拡張を交互に繰り返すことで全身に血液を送り届けているよ。
・心臓に入ってきた血液を、ギュッと心臓を収縮させることにより、その勢いで血液を全身へ送り出すのです。
拡張型心筋症とは、どのような状態になってしまっている心臓の事を言うのでしょうか。
拡張型心筋症とは
【心臓に起きている事】
拡張型心筋症の方の心臓の筋肉(心筋)は、本来の心筋より薄くなってしまっています。

どうして薄くなってしまってるんですか⁉
現在わかっていることは、遺伝やウイルス感染、免疫の異常などと関係があることです。
同じ拡張型心筋症であっても病気の進行速度も違ってきます。
薄くなった心臓の筋肉(心筋)はといいますと・・・
伸びきったゴムのような状態です。
筋肉が薄く、伸びて、ひろがることから、拡張型と言われています。

伸びきったゴムのような状態では、
ギュッと心臓を収縮させる力は弱まってしまいますね?
はい、心筋の収縮機能が低下している状態なのです。
徐々に心臓の機能は悪くなっていってしまいます。
【心臓の機能が悪くなると起こること】

徐々に心臓の機能が悪くなっていくというのは、
心不全や突然死とつながってくるんだ。
拡張型心筋症の症状ってどんな症状?自覚症状はあるの?

どんな症状で、拡張型心筋症と気が付くのでしょうか。

私が病院を受診した時は、
息切れ、動悸、体のだるさ、食欲不振、体重増加、意識低下(時々)
など、今思えば普段とは違う身体の症状がたくさんありました。
それは…心不全の状態だったのですね。
拡張型心筋症の初期には症状がありません。
心不全の症状があり受診し病気が発見される方や、無症状のまま健康診断で発見される方など、結果的に拡張型心筋症だったとわかるケースが多いのです。

心不全を放置していたり、重症になってくると、突然死のリスクが増えてしまうんだよ。
寝ているときに呼吸が苦しくなったり、突然死につながる不整脈が出現することもあるんだ。

心不全ってこわい…
どうして心不全になるの?
心不全とは
心不全とは病気の名前ではありません。
【心不全とは】
心臓に何らかの異常
⇩
心臓の役割である(全身に血液を送り出す)ポンプ機能が低下
⇩
全身の臓器が必要としている血液を十分に送り出せなくなった状態

こうした状態が続くと、心臓はどんどん疲れていくんだ。
心臓は、無理してでも血液を送り出そうとするから。
これが心不全という状態なのです。
心不全には、【急性心不全】と【慢性心不全:長い時間をかけて、徐々に心不全の症状が悪化】があります。
【心不全の原因】
- 心臓病:心臓の機能に原因がある
- 心臓病以外が原因(貧血、高血圧、腎臓病など)
【心不全の症状】
- 手足のむくみ、冷感、不整脈による動悸
- 息切れ、疲れ:十分な血液を全身に送り出せないので体に必要な酸素がたりない
- 呼吸困難、息切れ:肺に血がたまり(肺うっ血)肺に水分がしみだす→酸欠状態
- 体重増加:腎臓への血流低下→尿が減る→体に水分がたまる
- 食欲低下:胃腸や肝臓の粘膜もむくみ、食欲がなくなる

だるさ(全身倦怠感)や、夜間の呼吸困難、咳なども心不全の症状だよ。
拡張型心筋症ってどんな人がなるの?

【拡張型心筋症の原因】
現在わかっているのは、遺伝やウイルス感染、免疫の異常などと関係があることですが・・・

拡張型心筋症になりやすい人っているの?
- 子どもからお年寄りまで幅広い年齢の方が発症している
- 小児期の発症では、遺伝子の異常が原因となっているケースが多いと考えられている
- 10万人に14人程度の方がかかると言われている
- 男女の比率は、2.6:1と男性に多い傾向がある

原因不明である拡張型心筋症は、特発性拡張型心筋症と呼ばれているよ。
特発性とは、「原因不明」と言う意味だよ。
特発性拡張型心筋症は、難病指定疾患に指定されているんだ。
治療法は?


医師に、
心臓移植手術やバチスタ手術をする方もいることを聞きました。
私は、手術以外の治療を行っています。
【手術以外の治療】
- 心臓への負担を最小限に抑える日常生活
- 薬による治療

薬による治療ができるかで予後が変わってくると聞きました。
病気の進行を緩やかにするお手伝いをしてくれる薬のようで、現在服用中です。
治療に使用される薬の中の1つに、【ビソプロロールフマル酸塩錠】というのがあります。
(拡張型心筋症以外の方にも多く処方されている薬です。)
この薬は、
血圧、心拍数などを抑えることで、高血圧、狭心症、頻脈性不整脈などを改善する薬です。
例えば、血圧が普段から高くない方が服用すると…
そうなのです、高血圧の改善にも使用されている薬なので、血圧が下がってしまいます。
そうなると、この薬は「使用できません。」となってしまうのです。
このように血圧が下がりすぎる場合は使用できないという治療薬もあります。

普段から血圧は100/70ほどで高くはありませんでした。
なので「服用は難しいかな…」と思っていましたが、
現在の血圧は100が80~90台までに下がっています。
今までに比べ低いですが、ふらつきもないので服用できています。
拡張型心筋症になったら・・・|大事な事

心臓への負担をなるべくかけない日常生活が大事なポイントとなります。
食事では、減塩がとても大切です。
運動・仕事では、力仕事はしない。など、心臓ががんばりすぎずに日常生活を送れるような理解も必要となります。
今までの生活を変えるというのは、「我慢…」「諦め…」ストレスになることも出てきます。
そんな日々の中でも、
「楽しさ」や「うれしさ」を最大限に感じながら生活していけると、ストレスとのバランスもとりやすいのではないかと考えます。